私の仕事は高精度なレーザー・ユニットを作ることなんですが、毎回新しいことをするたびに困難にぶつかる。昨年暮れに作った新しい製品を再度耐久・安定性テストをしようと始めた。8時間ぐらいは順調に推移したが、それから原因の分からない出力低下が始まった。少しずつ真っ直ぐに落ちていく。こういう問題は約10年前に解決したはずと思っていたのだが他の未知の原因が残っていたのだろうか?普通ならそこでテストを止めてまた何週間もかけて作り直しをする場面なのだが、「え~い、とことんどこまで出力が落ちるか、落ち切ったところで安定するのかどうか見てやれ!」と出力が落ちるままに経過を見ていた。そうするとなんとそれから約6時間後から出力が戻り始めた!さらに6時間ぐらい経つと元の出力に戻ってしまった。出力が落ちるのも原因が分からないのに出力が戻る原因はもっと分からない!!
この問題の技術的な原因は分からないが、人生について改めて考えさせられた。「落ちるときはとことん落ちたところを見てやろう!自分の底はどんな場面になるか見極めてやる!」と何度かかつて思ったことがあるがそういう考え方を思い出した。
逃げるとか恐れるとかでなく、「底を見極めてやろう!」という覚悟が人生には必要ですね、病気でも貧乏でも苦労でも。そして死に際でも、どのように自分が死んでいくか見極める覚悟ですね。そうすれば道は開くもんです、あの世でもこの世でも。