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死期

63前後は死期なんだろうな?と思いますね。昔は、この年齢ぐらいで多くの男は死んでいった。死期には、その意味の思考が自然に生まれてくるのだろう。
私は小学生の頃から、お祖母さんが死ねば、お祖母さんは既に亡くなっているお祖父さんとあの世で再会する。死ねばあの世にいるご先祖様に再会して楽しい生活をあの世ですることになるということは当たり前のように墓の前で教えられていたし、それに対して何の疑問も持たなかった。今も持っていない。
零戦の搭乗員で数少ない生き残りで撃墜王として有名な坂井三郎(大空のサムライの著者)は、「死ぬのが楽しみだ。死ねばあの世で戦友達に会えるから」と書いていた。
しかし死ぬことが楽しいという感覚は分からなかった。
最近、私が小学二年生の時に亡くなった祖母を思い出すようになった。
またあのお祖母さんに会いたいなと。お祖母さんに見守られているという感覚はいつもあったけど、あの世でお祖母さんに会えるのが楽しみだなと思えるようになってきた。それは私の年齢が作り出す思考なんだろうなと思いますね。
そういうふうに思考するようになったということは、一定の年齢でONになる生物的な遺伝子に組み込まれたひとつのプログラムなんだろうなと思いますね。
故郷の景色もなぜか今までと違う懐かしい暖かいものに感じるようにもなる。
それも死期が近づいた感覚なのでは?と思いますね。生物学的な死期だけど死ぬとは限らない。死期が20年以上続くこともある。
死期に気づけば人生の価値観の転換を計らなくてはならないのでしょう。
70過ぎても80過ぎても金欲、権力欲から離れられない人も多いけど、そういう人達は死ぬ準備をしないまま死ぬ人達なんでしょうね。そういう人達は、「人は死なねばならない」という責任を果たせないで死ぬのでは?と思いますね。

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