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上品

高校時代の友人が片思いで惚れていた女の子が再婚して今は六本木ヒルズに住んでいるのが分かったので、彼に教えて上げようかと思ったが止めた。
彼は異常気質も若干あるので、関西から六本木までやって来て何とか彼女に一言でも話したいとウロチョロするかも知れないから。話すこともなく惚れていた子が突然転校で消えたので彼の心の中で気持ちのけじめが付いていない面はあるかもね?そのまま時と共に忘れているだろうが、思い出してしまうとね。
彼と彼女の間に魂の縁があったのかどうかは私には分からないけど。彼女が転校する直前の合同授業でいつも私が座っていた席の隣に彼女は普段の席から移動して来て座っていた。たまたま私はその時に別の席に座ったので、結果、隣同士にはならなかった。それから彼女は学校から消えた。あの時彼女は私に何かを伝えようとしたのだろうか?それともただの偶然だったのだろうか?という私には関係のない疑問が私に残っている。彼女は育ちの良い上品で大人しい子だったので私とは縁のない世界だったけど。そうですね~、上品は私とは縁が無いですね~。上品は生まれながらのものですね。努力では身に付かない。形を真似ても雰囲気は出ないよね。上品は最低三代家柄が続かないと。
それにしても彼も彼女も離婚を経験しているわけで、そのタイミングが同じなら魂の縁が何かあるのかも知れないし?赤の他人としてただのデータとして知りたい気はするね。彼は知らない方が良いけど。縁とは不思議だよね。ほとんどは何も知らないまま流れているけど。「袖すりあうも他生の縁」というのはあるね。他生はたくさんある過去生の中のどこかで、という意味だからね。「あっ!」と分かっても口に出来ないが。小中高時代は純粋な時なので、そういう出会いの縁は大人になってからよりも確率は高いかも知れないな。会うべき人とは会うようになっているが、その縁をどうするかは今生での個々の選択なんだろうな。
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