１５，６年前に両国でスマナサーナ師（スリランカのとても偉いお坊さん）のセミナーを受けたときに、「人生は死ぬまでの単なる時間潰しで、人生に意味はない」というようなことを言っていました。それ以外の話はとても参考になったのですが、このことだけは心の中で反発しました。まあ私も高校時代に、「生きることに意味はない。その意味のないところに意味を付けるのが人生だ」と結論を付けたものだが・・・。
みんな「人は生きる意味があって生まれてきている」と思いたいし、そのように大抵は人から教わっている。しかし、「生きることは死ぬまでの時間潰し」というのが最近少し分かり始めてきました。テレビを見るのも、ゲームをするのも、おしゃべりをするのも、趣味をするのも、本を読むのも、仕事をするのも、大抵は死ぬまでの時間潰しと思い始めました。昔から少しは分かっているところもあるのですが。
「本当に大切なものに出会うまでに必要な時間を待つ間の時間潰しの人生」という考えは同時に高校時代から持っています。まあ、養老院なんかほんとに死ぬまでの時間潰しですよね。毎日テレビを見て時間を過ごすのも死ぬまでの時間潰しですよね。娯楽というのはすべからず時間潰しですよね。女性が働きたがるのも人生の時間を過ごすのが退屈だから仕事で時間を忘れていたいのかも知れませんよ。
あれは厭だ、これは厭だという好き嫌いも時間潰しの人生だから出てくる心ですね。人生が時間潰しでない人もいるのかも知れないけれど、そういう人は好き嫌いを言っている暇がないということなんではないでしょうか？自分のことを考えている暇がない。自分のことを考えていることは人生の時間を死ぬまで潰しているだけ。
「いつか天が私に天命を教えてくれる」という言葉は嘘ですね。９９．７％の人はそんなことは無い。０．３％、千人に３人ぐらいはそういうことがあるかも知れないけれど。１０００人中３人ぐらいなものです。まあ少なくとも、あれはあ～だ、あの人はこ～だと言っている人には天命は降りてこない。好き嫌いも人生の時間潰しのうちですね。
ちなみに本当に大切なものって人に教えられて納得するものではないんですよね。自分で、「あー、そうだ！そうなんだ！」と気付くしかないんです。それをじーっと黙って待てるかどうかですね。何十年でも、場合によったら何百年もですね。