30年前(正確には29年)3月31日に退社して4月1日に会社をスタートした。その時に持っていた預金は4万円だった。30年かけてミュンヘンまでたどり着いて残ったお金は4万円。4万円でスタートして4万円に戻った。30年間、使い勝っての良い4万円だったということですね。30年間、その4万円を元手に遊べたということです。
最後の日の昼食時にテーブルの前に座っていたスイス人が話しかけてきた。「前回(2年前)のこの展示会は良かったが、今回のはもっと良い。今までの中で一番良い展示会だ。云々、で、あなたの会社は何人の会社ですか?」と聞かれたので、「一人だ。」と答えた。目を丸くしてビックリしていた。「世界の一流の企業しか参加していない展示会に遠い日本から一人で乗り込んできたのか?」という感じだったね。30年やって来た内容を説明したら納得したようだった。
30年で一つの仕事というか?運命というか?終わったということですね。
私にとっては、お金ではなくミュンヘンへの参加が退職金だということですね。
普通ならここで引退なんでしょうけどね、終わりは新しい始まりでもあります。
「人は身体一つで産まれて来て、身体一つで死んで行く。」という話がありますが、ちょっと違うかも知れませんね。「身体一つを借りて産まれて、その身体を返して戻って行く。」ということだと思いますね。身体さえも自分では無い借り物。物は何も持って戻れない。
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