前にも書いたことがありますが、アフリカでは、「考えることは頭の病気」と言われている地域があります。アフリカのサバンナで狩りをしている時に頭で何かを考えているとスキができる訳です。そうするとライオンが襲ってきている事に気付くのが遅れて殺されるし、直感が働かない。サバンナでは常に神経を研ぎ澄ましていないといけない。それはすなわち常に無心でいることですね。
もう6,7年前になるか?モンゴルでモンゴル800年祭というのがありました。そこでモンゴル軍の騎馬戦を再現をしていたのですが、私が観客席の一番前に座っていたら、突然私の前を左から猛スピードで騎馬が右方向に走り去ったのです。目の前2mぐらいでしたか?左から騎馬が走ってきていることにまったく気がつかなかった。「あっ、これが戦争だったら私は頭を切り落とされていた!」と。正直、ショックでした。まわりがちょっとざわざわしていると騎馬が走ってきている音が聞こえない。頭で何かを考えていると音が聞こえないということです。
高校野球でも千本ノックというのがあります。頭で思考しないで球に身体が反応できるようになるための訓練ですね。頭で判断して動いていたら球の動きに間に合わない。サッカーでも、特にゴールキーパーはそうらしいですね。PKでも相手がボールを蹴って動いては間に合わない。
まあ、学者は別にして、プロというのは頭で思考しないで対応する能力を身に付けている人と定義が出来るかも知れませんね。そう言えば、学者のプロとか、プロの学者という表現はありませんね。頭を使って何かをする人はプロではないのです。将棋のプロは思考を越えた思考なのでしょうか?
「あ~だ、こ~だ」と頭で考えているのは、人間のアマチュアということですね。