いつもの近くのお寺の今月の言葉、
「老いは身体より心からやって来る。」
でもね~、自分の老いに気づかずに山に登って遭難するケースが後を絶たないし、山の遭難の過半数は60歳以上というデータもあります。難しいところですね。車の運転もそうですね。「自分は若い!まだ大丈夫!」という心が人身事故を起こす元にもなっている。というように、「自分はまだ大丈夫!」という意識が老害になっている面もある。60を過ぎたら徐々に撤退戦を考え始めないといけない。常なる攻撃の継続は破滅の結果になることが多い。そういう人をたくさん見て来たけど、攻撃経験の無い人もたくさん見て来た。経験はあの世に持っていけると思うな。経営者の場合は、撤退戦は攻撃戦より勇気と慎重さがいる。私の場合は、撤退戦と同時に別なパラダイムによる攻撃かな?今までのやり方の攻撃継続は難しい。会社を作って30年、会社の寿命は30年という説を理屈ではなくて理解できる。「なるほど、30年でこういう流れが来るんだ?」という実感をしている。昨年の9月の終わり頃に、「これから運が落ちるかも?」と思い、2月1日にサンフランシスコでの展示会の三日目に何か(運)の流れがプツンと切れたと感じた。それから確かにそうなって、普通の人なら平常心が保てない、ひたすら忍耐の日々が続いた。6月に入って全く新しい芽が生まれ始めた。
もちろん時間とお金をかけて種を蒔いていたから芽が出るわけですけどね。
先週はオランダの医療機器会社から私の製品をヨーロッパで販売したいというメールも入った。まあ、それは今は受けないけどね。どうするかは来年6月にミュンヘンで会っての話だな。そういうのは急がない。
それにしても不思議なことは、昨年、一昨年は私が最初に1年勤めた会社から注文がまま入って助かった。これから作ろうとしている新しい製品のキー部品の入手は、独立前に勤めていた会社(光学専門商社)からになる。先々週30年ぶりにかつての勤務先を打ち合わせのために訪ねた。また同時に当時の上司であった人が38年前に独立して作っている会社と10年先のことを考えて提携することにした。私の本意ではないが、一匹狼は止めることにする。すなわち、前の会社と共に当時上司であった人とも縁が深まることになる。もちろん両者とも今までも繋がりはあったからそうなるのだけどね。まあ、それにしても、30年、一匹狼でやって来て楽しかったな。やりたいことをやりたいようにやって来た。前の会社に約10年勤めたけれど、その10年は独立してからの30年と同じ長さのように感じる。前の会社ではたくさんのことを勉強させて貰って感謝している。
前の会社では私の稟議が没になったことは一度も無い。次の仕事が順調に行き始めたら、当時の社長や常務の墓参りもいつかしないといけないかな?
前の会社だけでなく、最初の会社でも私の希望や稟議が通らなかったことは一度もない。サラリーマンとしては恵まれていたと思う。ただし、お金には一度も恵まれていない。前記の元上司と電話で話していて、「お前はいつもお金が無いな。少しは考えろ!」と言われた。ここ30年で数千万の無駄使いはしているな。でもそれは経験というものに置き代わっている。消極的判断はミスを防ぐかも知れないけど、経験と言うものは蓄積出来ないな。「お金が無いから(いつも適度の緊張して)健康でいられる。」と私はいつも言っている。お金があると病気になっているか、もっと大きなミスをしていたかも知れないな。
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