先日、用があって横浜に行く機会がありました。用事の時間がかかって食事をする時間が過ぎてレストランがほとんど閉まり始めていました。いろいろ歩いて探している内に川の傍でたこ焼きスタンドを見つけました。「今日はたこ焼きで夕食代わりだな」と、たこ焼き500円と傍にある自動販売機で日本茶を買いました。一人でなんとなく侘びしく食べていたら、たこ焼きスタンドの29歳だというお兄さんが暇なのか、「今日は売り上げが上がらないんですよね~」と話しかけてきました。いろいろ話している内に、話しの順序は覚えていませんがこんな会話になりました。
彼、「僕の父と母は二人とももう亡くなっていていません」
私、息が詰まって、「そうか、そうなんだ。普段の仕事は何をしているの?」
彼、「ペンキ屋です」
私、「どんな仕事でも人に負けないで一番の技術を持ったら生きているよ」
彼、「それだけはそのつもりで仕事しています」
私、「そうか、頑張っていたら、お父さんとお母さんが必ず守ってくれるから」
と言うと彼も少し泣き顔になっていました。
最後に彼は、「余っているからこれ奥さんにどうぞ」とたこ焼き1パックくれました。
「ありがとう」と素直に受け取りました。
それから夜の横浜の地理が不案内なので道に迷いながら人に聞きながら地下鉄の駅を見つけて帰ってきました。
その日は用事が遅くなったのも、道に迷ってたこ焼きを食べることになったのも、彼に出会うための必然だったのかも知れませんね。彼の守護霊が近くをさ迷っている私をそこに呼んだのでしょうか?それともただの成り行きの偶然だったのでしょうか?普段より塩っぽいたこ焼きになりました。
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