いちじくジャムを買ったがあまり美味しくない。トルコ産のいちじくドライ・フルーツも買ったがこれもあまり美味しくない。子供の頃、家で作ったイチジク・ジャムの味が懐かしい。かつて私の田舎の家の敷地の中にイチジクの木数本と、びわの木数本が植わっていた。友達や兄と屋根に登って取って食べていた。イチジクもびわも最適に熟した実のみを取って食べていたのでとても美味しかった。東京に出てきてから、イチジクやびわをたまに買うのだがいつもその味に失望している。卵は毎朝、鶏小屋から生まれたての卵を摂っていた。牛乳は牛小屋で乳牛から朝の搾りたてのを飲んでいた。いとこの女の子なんか、あまり美人では無かったので美人になるように、その牛乳で毎朝、顔を洗っていた。味については贅沢に育ったものだと思う。みかんは最も美味しいみかん畑の最も美味しい木から獲っていた。もちろん他人のミカン畑だったけど。まあ、今の言葉で言えば、みかん泥棒だったことになる。魚についてもそうですね。田舎では魚は好きでなかったけれど、東京に出てきてから、田舎の魚が美味しいということに気づいた。当たり前に食べていたものが実は一番美味しいものだったと気づいた。今の子供達は、あういう味を体験できないのかと思うと可哀想だな。
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